◆ケースによっては「強制退去」もなり得る賃貸契約の禁止事項!
賃貸契約には様々な“禁止事項”が設けられています。
借主は暮らすために「家賃」という対価を支払っていますが、共同住宅で暮らす以上は他の住民に迷惑をかけないために必要最低限のルール・マナーを守る必要があります。
禁止事項を繰り返し行えば、「強制退去」もあり得る話。
では、具体的に賃貸契約にはどのような禁止事項があるのでしょうか。今回は、賃貸物件に入居するにあたって知っておきたい「賃貸契約の禁止事項」について解説していきます。
専門用語では「又貸し」といい、借主がオーナーである貸主の許可を得ず無断で「他人に部屋を貸すこと」を意味しています。
これは民法でも明確に定められており、借主が無断で第三者に転貸した場合、貸主は「契約解除することができる」とされています。
要するに、賃貸契約時に説明がされていなくても、転貸行為が発覚すれば「強制退去になる可能性も十分にあり得る」という話です。
やむを得ない事情で友達などに貸した場合も契約違反の対象になり、あまり知られていない禁止事項なため、指摘されて初めて気付くケースも多いので注意しましょう。
借主と貸主の間で合意があって取り付けられた設備は、賃貸借契約終了時に貸主に対して時価で買取請求することができ、これを「造作買取請求権」といいます。
通常、造作は取り外し不可となる電気・水道設備などが該当することになり、入居後に取り付けられることが多い空調設備も含まれます。
ただし、大規模な造作や模様替えは、借主の原状回復義務によって禁止されていることが多くなっています。
賃貸契約では、契約終了時に部屋を借りる前の状態で戻すことが「原状回復ガイドライン」に規定されていて、例えば壁紙を貼りかえる行為などは“借主の故意”とみなされ退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。
そのため、大規模な造作・模様替えを行う際は、事前に貸主に相談することをお勧めします。
また、最近では壁紙の上からでも使用できるインテリア商品もあるので、部屋の模様替えをしたい場合は工夫すると良いでしょう。
最近ではペットOK物件も増えてきているものの、まだまだ「ペット不可」の賃貸物件が多いです。
「ペット不可」ということは、知らずに飼育してもルール違反とみなされ強制退去となるリスクも。あるいは、退去時に原状回復費用の請求額が大きくなることも考えられます。
中には、猫アレルギーなどのペットと関連するアレルギー持ちの人が好んで住んでいることもあるので、隣人トラブルになる可能性も否定できません。
従って、ペットの購入を考えている場合は、契約の際に「ペットの不可」又は「ハムスターなどの小動物はどうなのか」などを訪ねるようにしましょう。
実は、カップル・シェアハウスなどの「同棲」を禁止している賃貸物件もあります。
なぜかというと、同棲の場合は家賃を折半して支払うケースが多く、片方が出ていくと金銭事情から契約者もすぐに退去することが多いからです。
入居者にできるだけ長い期間住んでほしい貸主の立場から考えると、このような退去に繋がるリスクは極力排除したいもの。
どうしても同棲で住みたい場合は内緒で暮らすのではなく、賃貸契約の審査の際に契約者が1人でも家賃を支払える経済力があることを提示して認めてもらうことをお勧めします。
おわりに
このように賃貸契約では、強制退去に繋がる「禁止事項」が存在しています。
しかしながら、行ってはいけない禁止事項は物件ごとに異なるため、気になる点があれば事前に確認しておくことが大切です。
そのためには、賃貸契約の際に受ける「重要事項説明」をしっかり聞いておくようにしましょう。