日当たり条件がいいとされている“南向き”部屋。新築マンションのパンフレットや広告などで「オススメの南向き部屋!」と掲げられていることもあり、人気がある南向き部屋はすぐに完売してしまうケースが多いです。住宅を購入するときに「南向き部屋かどうか」を希望条件のひとつにしている方も多いのではないでしょうか。
…しかし、買い手によっては損だらけになることもあるのです。
選ぶべきポイントは、買い手自身の「ライフスタイル」にあります。本当に南向き部屋を条件にするべきかを確認してみてください。
他の方角に比べて価格が高く設定されている!
マンションの住戸値段を決める要素は、間取り、広さ、階数などいくつかの項目がありますが「方角」もそのひとつに含まれます。日当たりのいい南向き部屋は、同じ間取りや広さでも他の方角の部屋に比べると価格が高く設定されています。これはマンション購入に限った話ではなく、賃貸でも同じように南向き部屋の賃料は高めに設定されています。
他の方角部屋との価格差はマンションによって異なりますが、南向き部屋のほうが“価格が高い”ということを、まず覚えておきましょう。メリット・デメリットを知らずに「人気だから」のような理由だけで選ぶと、後になって後悔することもあります。
「ライフスタイル×日照時間」が決め手!
そもそも南向き部屋が好条件だといわれている理由は、日中の「10時~14時」の時間帯に日光が入ってくるからです。つまり、仕事などで“日中外出している人”にとっては南向き部屋に住むメリットはほとんどありません。
専業主婦の奥さんや小さいお子さんがいて日中も在宅している場合は、日照に恵まれている南向き部屋をオススメしますが、1人暮らしや共働きで「朝型ライフスタイル」の場合は、朝日が差し込む「東向き部屋」のほうがオススメだといえます。
どの方角部屋を選ぶかは、日照時間の特性を理解して「ライフスタイル」に合っているか確認することが1つのポイントになってきます。
南向き部屋は意外と「デメリット」も!
南向きを選ぶときは「メリット」ばかりに注目しますが、実は“南向き部屋だから”生じる「デメリット」もあります。
朝日が差し込まない
人間の体内時計は「日光を浴びること」によって調整されていて、活動パフォーマンスにも影響するといわれています。日中に日差しが差し込む南向きは、1部屋しかない場合だと朝日を浴びることができません。
フローリングなどが傷みやすい
日差しが強すぎる場合は、フローリングなどにダメージが蓄積されて劣化する原因となります。劣化が進むとフローリングの張替えが必要となり、高額な費用を払うことになります。対策として、階数に関係なく遮光性能が高いカーテンの取り付けが重要です。
周囲の環境に影響される
「南向き」と表記されている部屋でも、南側に高層マンションなどが建っていると日差しの入りが悪くなってしまいます。また、数年後に高層マンションが建設される可能性もあるので、南向き物件の購入を検討するときは他の方角部屋よりも周囲の環境を入念にチェックする必要があります。
重要視する項目を決めることが大切
お伝えしたように南向き部屋は人気があり、他の方角部屋よりも価格は高く設定されています。南向きにこだわることをやめれば、同じ価格帯でも「駅チカ」「眺望の良さ」「広い間取り」といった魅力的な物件を購入することもできます。
確かに南向き部屋のメリットも大きいですが、自分の「ライフスタイル」から重要視する項目を慎重に決めたほうが結果的に快適な暮らしを送れる「マイホーム」となります。
住宅を購入検討するときは、さまざまな条件を考慮しつつ、理想的な物件と出会えるようにしてくださいね。